あなたの高血圧、原発性アルドステロン症かもしれません!

 高血圧症は、全国で約4000万人の患者様が推定されている日本で最多の病気、すなわち「国民病」です。高血圧症の原因の多くは未だ明らかではありませんが、高血圧症の約20%は、腎臓病やホルモンの異常が原因である「2次性高血圧症」です。

 2次性高血圧症のうち、腎臓病による高血圧に次いで最も多いのが、ホルモンの異常による「原発性アルドステロン症」です。副腎から多くのアルドステロンが分泌されることにより、高血圧に加えて、脳卒中・心筋梗塞・心房細動・慢性腎臓病などの合併症を高い確率で発症することが知られています。全国で200-400万人(全高血圧症の5-10%)の患者様が推定されている「原発性アルドステロン症」ですが、未だに多くの患者様が適切な診断や治療を受けられていないのが現状です。

 東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科(旧第2内科)では、昭和31年に当時の鳥飼龍生教授が本邦における原発性アルドステロン症第1例を報告し、その後も多くの診療実績と研究成果を報告しています。現在、当科内分泌グループでは、高血圧症の患者様を御紹介頂く多くのかかりつけ医の先生方、そして、当院放射線診断科・泌尿器科・病理部と緊密に連携し原発性アルドステロン症の一貫した診療を日夜精力的に行っています。

 

 高血圧症にて治療中の患者様、かかりつけ医の先生方へメッセージです

  1. 原発性アルドステロン症は、決してまれな病気ではありません
    ぜひ積極的に、アルドステロン・レニン活性を測定してください
  2. 副腎腫瘍や低カリウム血症を伴う高血圧、3剤以上の降圧薬を内服しても下がらない高血圧では原発性アルドステロン症の可能性が更に高まります
    ぜひ積極的に、アルドステロン・レニン活性を測定してください

東北大学大学院医学系研究科

難治性高血圧・内分泌代謝疾患地域連携寄附講座 特任教授 佐藤 文俊

 

当科では、原発性アルドステロン症の診断および治療をより良いものにする目的で、‘Primary Aldosteronism Sendai Study’(略称:PASS)(正式名:副腎疾患の臨床診断および病理学的成因に関する前向き観察研究)(東北大学大学院 医学系研究科 倫理委員会 承認済・受付番号 2020-1-824)を実施しております。
本研究にご参加頂ける患者様、かかりつけ医の先生方を広く募集しております。詳細はこちらをご覧下さい。

 

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