SGT学生の声

2021年(6月14日~7月9日)

河野ちひろ さん

コメント:私は元々4年生の講義のときから、電解質・内分泌に苦手意識を持っており、ここで避けて通りたくないと思ったため、内分泌グループを希望しました。初めは勉強していったつもりでも暗記しているだけで良く理解できていないことが沢山出てきて、しかしその分学ぶことも多かったです。
 特に、症例として担当した中枢性尿崩症については、鑑別疾患の腎性尿崩症や心因性多飲、高カルシウム血症などとの鑑別について、どのような所見からその疾患を否定できるのかなどを改めて勉強し直し、また患者さんの実際の日々の血清Na値や尿量の変化、体内に入っていく水分量と、投与する経口薬の量の関係の経過を拝見することで、4年生のときに理論として学んだことを実際の事象として理解することができました。
 症例提示としてのプレゼンテーションでは、管理がうまくいった部分について発表しましたが、実際はそれ以上に、今後自宅退院を考えた際に尿量と血清Na値の管理をどうしていくのか、ということが大きな課題であると感じました。住んでいる地域によっては内分泌科がない場合もあり、QOLの維持が難しいケースが多くあるのではないかと思いました。それについては発表までには調べきれなかったので、これから回る実習においても、退院後の患者さんの生活についてまで考えていきたいと思います。
 最後に、お世話になった尾股先生をはじめとする内分泌グループの先生方に御礼申し上げます。4週間ありがとうございました。

発表演題:投薬経路の変更により尿量の安定を得た中枢性尿崩症の一例


高橋優志 さん

コメント:これまで内分泌というとなかなかイメージのしづらい、暗記に頼りがちな分野というイメージを持っておりました。
 しかし、実際の症例を前に様々な考察を交えてご指導いただき、知識が整理されるとともに、自身でその知識を使うトレーニングができました。
 また、普段意識することのない、ヒトにおけるホメオスタシスの重要性と、その破綻によるダイナミックな変化が非常に印象的でした。
 今後も今回の実習で学んだことを活かし、学習を深めていきたいです。
 お忙しい中ご指導ありがとうございました。

発表演題:周期性変動を伴った異所性ACTH依存性クッシング症候群の一例


寺崎晋太郎 さん

コメント:これまで教科書的な知識しかなかった内分泌疾患について実際に患者さんの経過を見ていく中で、ホルモンのコントロール次第で症状が目に見えて急激に変化する様子などを見ることができ理解が深まりました。
 負荷試験では手技をたくさん経験させていただきましたし、AVSの見学も貴重な機会となりました。
 長い期間でしたが内分泌疾患の面白さが分かり充実した実習となりました。内分泌科を選択して本当に良かったと思っています。
 4週間に渡りご指導いただきありがとうございました。

発表演題:原発性アルドステロン症とサブクリニカルクッシング症候群を認めた副腎皮質癌の一例


佐藤彰紀 さん

コメント:病棟での実習では医学的な知識だけでなく、末梢ルート確保や血ガス検査の手順、患者さんとの接し方など多くの実用的なことを学ぶことができました。
 担当した原発性アルドステロン症については様々な検査を行う様子を見学しながら症状やデータの特徴を学ぶことができました。また、これまで知識としてしか持っていなかった原発性アルドステロン症の分類がどのように治療に結びついていくのかを体験することができました。
 今回の実習の経験を活かせるよう一層学習に励みたいと思います。
 お忙しい中のご指導ありがとうございました。

発表演題:Segmental AVSで手術適応ではないと判明した原発性アルドステロン症の一例


2021年(5月21日~6月11日)

須藤響子 さん

コメント:内分泌グループを選んだのは、内分泌学が難しい、分かりにくいというイメージがあり、少しでも疾患や病態の理解を深めたいという動機でした。最初は、複数の臓器が関わり検査の種類も多く、科としてどこから学べばいいのかわからない状態でした。
 1週目から点滴の組み立てや、末梢静脈から点滴のルートを確保する手技を練習する機会をもらいました。 自分のことを不器用だと思っていましたが、先生方のご指導の下、手順やルールを踏まえることで手技を完成させられることを学びました。 負荷試験を行なっている内分泌グループならではの体験だったと思います。
 また、いままでの実習は2週間だったので、担当患者さんの経過を長くみることはありませんでした。1ヶ月同じ患者さんを担当したことで不安に思っていることを聞く力、出てきた症状に対処する力を身につけるヒントを見つけることができました。 さまざまな疾患がどのように寛解、治癒していくのかを観察し、また、治療についても患者さんの意思を尊重するために十分かつわかりやすい説明を行うことの重要性を実感し、充実した実習でした。
 全体を通して、なぜその検査が必要なのか、それぞれの検査で何を確認したいのか、その根拠となる生理的、解剖学的背景を学ぶことができました。お忙しい中ご指導いただいた先生方、疾患の様子を見学させてくださった患者様方、1ヶ月間ありがとうございました。

発表演題:甲状腺クリーゼから発見されたBasedow病の1例


小林路佳 さん

コメント:4週間、教育担当の尾股先生をはじめとした先生の皆さん、熱心で丁寧な教育、ご指導をありがとうございました。
 5年生ではSGTとして血液、免疫、腎臓、内分泌4つのグループの中から一つをメインとして選択し、4週間そのグループで学習します。どのグループも興味深いですが、私が内分泌グループを選択した最も大きな理由は一番イメージがつきにくかったからです。内分泌疾患はたくさんあります。クッシング症候群、バセドー病、原発性アルドステロン症…。4年生で座学として習っていても目に見えないホルモンの異常はなかなかパッと頭に入りませんでした。この4週間実習をしてみて、今ではかなり理解が深まった方だと思っています。例えば教科書的には副甲状腺機能亢進症では高Ca血症になると学習しますが、そのとき患者さんは何に困っているのか、臨床的にどのようなことに注意しながら治療していくのか、こうしたことはなかなか教科書とにらめっこしていてもわかりませんし頭に入ってきません。実際に患者さんと接してみて、先生たちがカンファで話している内容を聞いて、そうしたことの理解を深めていくことができました。
 内分泌グループで学習できたことはたくさんありますが、やはり特に印象に残っているのは末梢静脈ルート確保などの手技を行えたことです。他の科ではなかなか学生ができるものではないと思います。最初はしっかり練習を行い、実践として負荷試験の患者さんに実際にルートをとります。その前後にも点滴の組み立て方や、三方活栓を用いた採血の仕方なども実際に自分の手を動かしながら学ぶことができます。コロナ禍により実習の多くの場面で制限がかかる中でも、内分泌グループではこのように手技に参加させていただける貴重な機会をもつことができ、国試で役立つ知識だけでなく近い将来に実際の現場でも役立つ経験を積むことができました。
 また、副腎静脈サンプリング(AVS)という、原発性アルドステロン症の診断において重要な検査について特に深く学ぶことができました。この検査は東北大が特に強い検査のひとつであり、実習中にも遠方からやってくる患者さんがいるほどでした。先生が丁寧に教えてくださったおかげで、最終週では今このカテーテルはどこの静脈血をサンプリングしようとしているのか、結節の位置を考えるとどの部分の検査値が重要と考えられるかなど、実習以前とはAVSの理解が大きく変化しました。たとえ内分泌グループをメインにとらなかったとしても後輩にはぜひAVSの見学と解説を聞くのを薦めたいです。
 この4週間は負荷試験で朝が早かったり、回診前のカンファではどうしても確認事項が多いため実習終了が遅くなることもありましたが、自分なりに積極的に参加して結果的にはとても実りのある良い実習になったと感じています。指導してくださった内分泌グループの先生方、他グループの先生方、医療スタッフ、患者さんに厚く感謝申し上げます。

発表演題:CPAへ至ったCPA合併のAPAの一例


ローテート学生さん

コメント:内分泌科を廻って一番に良かったと思う点は、様々な内分泌を身近に感じられたことです。内分泌疾患は授業や教科書で学んでいましたが目に見えない話ばかりで、自分にとっては症状や検査などをただ暗記するだけの非常に朧げな分野でした。しかし、実際の患者さんを目の前にするとそれが明確に頭の中に入ってきました。血中のホルモン濃度や電解質濃度を改善するとそれに伴い患者さんの症状も見る見る内に改善していくのが印象的でした。また、ホルモンや電解質というものが多かったり少なかったりするだけで全身に重い症状が出るということも印象的で、生命活動にとって過不足の無いホルモン及び電解質の濃度が必要不可欠なものだと学びました。
 東北大学病院の内分泌科での実習に限った話を言えば、洗練された非常に成功率の高い副腎静脈サンプリングを間近で見学できる点が特色だと思います。サンプリングの際の造影X線画像から副腎静脈の走行とカテーテルの位置関係を把握できるようになり、カテーテルが丁度良い位置なのかそうでないのか、取りそびれがちな血管が何処にあるのか、またその難しさや如何にして検査を成功させるか、といったところを理解することができました。また、他科との連携と云う内科の先生の重要な役割も学ぶことができました。副腎静脈サンプリングは、平たく言ってしまえば放射線科の先生に被曝しながらの採血をお願いすることに違いありませんが、原発性アルドステロン症が片側性か両側性か則ち手術適応か否かを決定する重要な検査で、泌尿器科に(可能であれば)手術をお願いするに当たり必要な検査です。内科と云うものがある疾患の治療に関する様々な科の架け橋的な存在なのだと云う事を強く感じられました。
 以上の事の他にも、副腎静脈サンプリングや負荷試験などのホルモンの検査に加え電解質異常について詳しくなれる、末梢ライン確保の練習の機会が沢山あるので負荷試験の際に失敗することなく患者さんの末梢ライン確保ができるようになる、一か月という期間廻ることで患者さんのすぐ傍で見守り退院までの経過を追うことができる、といった様々な体験ができました。
 有意義な時間を過ごし、実習前の自分と比べ知識の幅も深さも見違えるほどに広がったと自負しております。しかしながら内分泌疾患の学習の面白さを知ると共に、知識及び経験の不足を痛感したので、今回の実習を今後の学習の糧にしていきたいです。
 ご指導ありがとうございました。


2021年(2月1日~2月26日)

 今年度最初のSGT学生として内分泌グループをメインで選択してもらった学生さん3名です。
 内分泌診療に深く触れてもらえたのみならず、学生が開始すべき手技として明記されている末梢ライン確保を頑張ってくれました。高次修練、初期研修、その後の医師人生で基礎となる手技を忘れずに、これからも修練に励んでください。
 高次修練を選択してくれた先輩方の声もこのホームページに載せていますので、興味があればぜひ高次修練も選択してください。もう少し高次なことにもトライしてみましょう!お疲れさまでした。

十分な換気を行った上で撮影のごく短時間のみ沈黙を保ちつつマスクを外しています


 

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